サポーターストーリー(仮)


「ピピッ、ピピッ。」午前8時を知らせる目覚まし時計の音が鳴り、いつも通り時計を止める。今日は何故が目覚めが良い。洗面所で顔を洗い、歯磨きを済ませ朝食の用意をする。
鼻唄で 「When Johnny Comes Marching Home」を口ぐさみながら、トーストとコーヒーを作り終えてリビングへ持っていく。いつも読まない新聞を手に取り、読んでいく。新聞には「Jリーグ今日開幕」という文字がスポーツ欄に大きな見出しで出ている。
 
その下には「ヴィッセル神戸、ホームで開幕ゲーム」という文字も。チャントを口ずさみ記事を見ながら、「今年はどんなシーズンになるんだろう。」と大きな期待と少しの不安が入り混じる。
「さあ、行くか!」と自分に気合いを入れるように一言を発し、スタジアムへ向かう準備をする。部屋に飾っているユニホームを着て、タオマフを鞄に入れ、忘れ物はないかを再確認し家を出る。
何故、ヴィッセル神戸を応援をしているかというと、サッカーは好きだったが、特にどこのチームを応援しているというものはなかったが、友達とたまたま連れて行ってもらったヴィッセル神戸の試合がとても面白く、神戸生まれ神戸育ちだった僕は自転車で10分のところにスタジアムがあるサッカークラブという、「地元神戸、家からすぐにスタジアムがある」という好条件が重なって、かれこれ5年程、サポーターをやっている。
自転車で日本でも代表する工場の間を抜け、運河に掛かる橋を越えていく。ここはハーバーランドが遠目に見えて、和田岬線の線路があり、派手ではないがレトロチックな雰囲気で好きな場所だ。スタジアムに到着し、自転車を止めていつもの集合場所へ。そこにはいつもの二人が待っている。
身長が高くイケメンなのが涼太。もう一人が天パに眼鏡を掛けているのが友紀。この二人に試合を連れて行ってもらってサポーターになったのである。
「遅いぞ、2分遅刻だ。」と几帳面で、思っていることを口にしないと気が済まない友紀が集合してすぐ文句を言う。「まあ、いいじゃないか。」とおっとりとした口調で涼太がフォローを入れる。こんなやりとりを毎回しているような雰囲気になるが、かれこれ10年来の親友である。お互い気心が知れた仲である。
集合したところで、スタ飯ストリートへ向かう。ここは、スタジアムグルメ(通称:スタグル)を堪能できる場所で多くの出店が出ている。スタ飯ストリートは正月の初詣かのような人の込み具合だ。スタ飯ストリートでは人気のタンドリーチキンの列に並び、買い終わって3人で食べる。「今年も相変わらず美味いな」と3人は心の中で言う。食べ終わり、スタジアムの外ではお祭りのような賑わいになっている。イベントブースではトークショーをしていおり、今年の補強のことがトークテーマになっている。近くにあるテーブルではサポーター同士のポチ宴会が。また違うところでは今日の対戦相手のサポーターと一緒にサッカー談義に盛り上がっているところも。家族連れでユニホームを着ている方も多数いる。「これが日本のJリーグの良いところだな。」と実感する。
ヨーロッパではサポーターが暴れて問題になったりしているが暴れることがサポーターとして格好良いものではない。日本でも稀に暴れて問題になることがあるが、かえって愛するクラブに迷惑が掛かってしまう。と何故が心の中でサポーター問題を考えいたが、「おい、開門の時間だぞ。」という友紀の言葉でハッと我に返る。
いつものようにバックスタンドの入場口から入り、チケットの確認が終われば、いつもの席へ歩いて向かう。コンコースからスタジアムへ向かう通路からほのかに芝生の匂いが漂ってくる。僕はこの瞬間が好きだ。「サポーターも選手と一緒に戦っている。選手たちが出てくる気持ちと、今、僕がこの通路を通るときに感じる気持ちは一緒ではないのかな。」と思いながら通路を抜けると、そこは緑の芝生にピッチから近いスタンド。両ゴール裏は弾幕が張られ、雰囲気を一層盛り上げてくれる。「さあ、今年も始まる。」今年の開幕戦も、少し気を引き締めいつもの席に座るのである。

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